ふんぼり

 異常な眠気でたっぷり寝てしまった。満足感と多少の罪悪感に挟まれながら、部屋を真っ暗にして先日途中で止めていた映画の続きを観た。頭が忙しいので、すべて諦めて何も考えなくていい時間を無理矢理作ってみた。とはいえ少しは考えてしまう。トンネルの先に光は見えているので、もうちょっと、さぼりつつ踏ん張ろうと思う。

性格の可変部分

 そんなに悪い人はいないと思っている。正義が違うだけなのだと思っている。それでも時々、いろんなことを飛び越えて、相手の善意を利用するだけの悪意を、悪意とも思わずに発揮する人がいる。相手の接し方に対応して接していくことが基本のスタイルだけど、ただのスタイルなので、変更可能である。

 人を信じている。ある程度生きてきたから、さすがに適度な疑念も携帯しながらではあるが、信じたいと思っている。この疑いは、信じさせてくれという願いに近い。相手が悪意を持って接してくれば悪意で返すことは多々あるが、相手が嘘をつく時、こちらも嘘をつくかどうか、ここだけははっきりしない。

突貫休止

 一歩も外に出ず、のんびりと部屋で過ごした。やらないと決めて数年やっていなかったことをやろうと思い立って行動してみたり、断捨離を進めてみたり、数日休んでいたデッサンを再開したりした。休むことの大切さを実感している。すきな時間に寝て起きて、自分に一ミリのストレスも与えず、わがままに生きる。わがままに生きて、どれだけ我慢してきたかがわかる。不必要な我慢で心を縮めて、気づけば音もたてずに破裂して、小さな穴から空気が漏れていたなんてことになってはいけない。汚れや傷を塗装で誤魔化すくらいならなんとかなるかもしれないが、穴を塞ぐのはそう簡単じゃない。

サボテンの謎

 日々に活力を与えたくて買ったサボテン、何の変化も感じずに一ヶ月以上経った。水やりは三週間に一度ほどでいいという情報を見た。一度水やりをしてから一ヶ月経ったけど、本当にまったく変化なしで元気そうだ。これは本当にサボテンなんだろうか、偽物の気もしてくる。このサボテンがもし死ぬことがあったら、その時初めてこのサボテンは本物だったと知るのかもしれない。

気泡

 歩いた。二万歩、太ももの裏が痛い。ペットボトルのコーラを二本飲んだ。

 たくさんの言葉を放って、疲れた。疲れは気力を生む気がする。甘い海の中に漂う泡は、喉を通るたびに内壁を引っ掻いて割れる。その破裂はとても刺激に満ちていて、時に痛々しく奥にこびりついて離れない。痛みは時期に止み、細かい泡の集合体はまたひとかたまりとなって曖気となり外気を揺らす。体は軽くなり、ほんの少しだけ宙へ浮く。

波の底

 波、気力が湧かないし、いろいろギリギリだし、状況は変わらないし、そんな波の底にいるけど、こういう時間との付き合い方は心得ているつもりだ。つもりだけど、つらいことはつらい。じっと上昇を待つ。

 けっこう長い期間、左手の人差し指が痛い。突き指しているような痛みだ。

カイコダンシャリー

 ゲームボーイで遊んだ。二十五年以上前のものなのに、操作方法もドットも音楽もすべて鮮明に覚えている。

 部屋がもので溢れているので断捨離しているけど、いっこうに減らない。ゲームボーイをひとしきり遊んでから売りに出す。小さい頃の思い出がなくなってしまうようで少し寂しい。少し寂しいが、思い出は心にあって、物はそれに触れるきっかけでしかない。いつか未来の自分が思い出すための、新しい思い出を作っていこうと思うのであった。

続・いい日

 連日、新しいことに取り組まない日を過ごす。あまりやる気が出ないので、出ないままにして休むことにした。何かやらないと、と思えば思うほど心に負担がかかって体にも影響が出てくる。やる気が出ない時は素直に諦めて、何もやらなくていいんだと自分を許し、穏やかに過ごしていればまたそのうち上昇の兆しが見えてくる。その時に動ける力を残しておくことも大切だ。無理して動いても良いことは一つもない。

 そんなわけで、気張らず過ごした日には、この先が楽しくなりそうな出来事があったりして、とてもいい日だった。

いい日

 ギターを弾きながら歌うということを数年、好きなペースで好きな時にやっている。とても久しぶりに演奏をせずにカラオケで歌った。もともとうまくないというのは置いておいて、どうもうまく歌えなくて困った。自分の演奏なら、いろいろ合わせられてごまかしがきく部分もあるけど、決まったテンポとリズムで、様々な音が鳴っている中で歌うのは難しいと思った。

 何も新しいことに取り組まなかった日は、とてもいい日だった。

水も油も

 やりたいことや、やっていること、やってきたこと、これを言葉にして人に話すことを意識的にやっている。それは間違いなく未来をいい方向に変えると思っている。言葉の力は大きい。

 油が原因か不安が原因かわからないけど、肉を食っていたら気持ち悪くなった。前者かと思いたいところだが、経験上の話で後者の可能性が大いにある。

 とてもうまくいった一日は、最後の最後に欲張って失敗しがちだ。